文献紹介

2017年4月13日更新

ミルトンを初めて学ぶ方のための基本資料

詩・散文のアンソロジー

Kerrigan, William, and John Rumrich, Stephen M. Fallon, eds. The Complete Poetry and Essential Prose of John Milton. New York: The Modern Library, 2007.
ペーパーバック版分冊有。各詩作品・代表的散文に関連研究と簡潔な解説、詳細な文献リスト付。散文は現代語法に書き換え。

Leonard, John, ed. John Milton: Paradise Lost. Penguin Classics. London: Penguin, 2003.
巻末では難しい単語の言い換えの注がつけられており役立つ。内容に関する最低限の注もあり手軽に手に取ることができる。序文では、作品の基本的な概念やこれまで問題となった内容が紹介されている。安価で購入可。

Leonard, John, ed. John Milton: Selected Poems. Penguin Classics. London: Penguin, 2007.
Paradise Lost 以外の代表的な英詩集。序文ではミルトンの略伝が完結にまとめられている。上記のペンギン版と同じく手軽に読むことができる。

Orgel, Stephen and Jonathan Goldberg, eds. John Milton: The Major Works. Oxford: Oxford UP, 2003.
詩作品を出版年で分類。ラテン詩や生前未出版詩作品、主な詩作品、散文8作品(一部抜粋)と書簡3篇を含む。其々に簡潔な解説と語の注有り。主要作品が最も手頃な価格とサイズで一冊に納められている。散文は現代語法に書き換え。同編者のParadise Lostのみの版も有り。

Teskey, Gordon, ed. Paradise Lost: Authoritative Text, Backgrounds and Sources, Criticism. New York: Norton, 2005.
簡潔な注釈の他、代表的批評がある。

 

詩作品集

Carey, John, ed. John Milton: Complete Shorter Poems. 2nd ed. Harlow: Longman, 1997.
最もよく用いられる詩作品集の標準版。各行につけられた膨大な注と参照すべき文献が紹介されている。卒論を書く際には必読。

Fowler, Alastair, ed. John Milton: Paradise Lost. 2nd ed. Harlow: Longman, 1998.
最もよく用いられるParadise Lost の標準版。上記のComplete Shorter Poemsとともに、注と文献の紹介は論文・レポート執筆に役立つ。

Lewalski, Barbara K., ed. John Milton: Paradise Lost. Malden: Blackwell, 2007.
1674年の初版にしたがったスペル。語の解説を詩行後にイタリック体で提示、簡潔な脚注。他の版よりも本のサイズはやや大きいが、幅広い読者を意識した読みやすい工夫がなされている。版による語の変更は後注に解説。詳細な文献リストあり。

Revard, Stella, ed. John Milton: Complete Shorter Poems. Malden: Blackwell, 2009.
Paradise Lost を除く全詩作品を出版年順に配列。出版年が一目で分かる目次。初版にしたがったスペル。簡潔な脚注、語の解説を詩行後にイタリック体で提示、一つのページに必要な情報を網羅。イタリア詩・ラテン詩の原典と英語の翻訳を見開きページに配置(英語翻訳を散文形式で原詩後にまとめたCarey版より読みやすい)。ペーパーバック版あり。他の版よりも本のサイズはやや大きいが随所に読みやすい工夫がなされている。

 

翻訳

新井明訳. 『楽園の喪失』 大修館書店, 1978年.

佐野弘子訳. 『劇詩 闘志サムソン』 思潮社, 2011年.

平井正穂訳. 『失楽園(上)(下)』 岩波書店, 1981年.

宮西光雄訳.  『ミルトン英詩全訳集(上)(下)』 金星堂, 1983年.

この他にも近年まで詳細な解説とともに多くの詩の翻訳が刊行されている。

 

散文集

Loewenstein, David, ed. John Milton: Prose: Major Writings on Liberty, Politics, Religion, and Education. Malden: Blackwell. 2013.
手頃に入手できる散文集の内、最も多くの散文作品を含む。散文の簡潔な解説、注、年表有り。巻末の参考文献も便利。綴りはオリジナル。ラテン語散文は英訳のみ。

Wolfe, Don M., general ed. Complete Prose Works of John Milton, 8 Vols. New Haven: Yale UP, 1953-1982.
全巻刊行まで30年の歳月をかけ、時代や原典資料の背景、各作品に関する代表的な研究等を詳細に解説。最もよく用いられる散文全集の標準版。綴りはオリジナル。ラテン語散文は英訳のみ。

 

翻訳

新井明、佐野弘子、田中浩訳. 『離婚の教理と規律』 未来社, 1998年

新井明、田中浩訳. 『ジョン・ミルトン 教会統治の理由』未来社, 1986年

新井明、野呂有子訳. 『ジョン・ミルトン イングランド国民のための第一弁護論および第二弁護論』聖学院大学出版会, 2003年

新井明、松並綾子、田中浩訳. 『離婚の自由について:マーティン・ブーサー氏の判断』未来社, 1992年

辻裕子、渡辺昇共訳. 『四絃琴(テトラコードン)聖書と離婚論』リーベル出版, 1997年

原田純訳. 『言論・出版の自由』(アレオパジティカ・自由共和国建設論 内)岩波書店, 2008年

原田純訳. 『イギリス革命の理念-ミルトン論文集』(離婚の自由・教育論・アレオパジチカ・為政者在位論・自由共和国建設論 内)小学館, 1976年

原田純、新井明、田中浩訳. 『ジョン・ミルトン イングランド宗教改革論』未来社, 1984年

私市元宏、黒田健二郎訳. 『ジョン・ミルトン 教育論』未来社, 1984年

 

全集

Columbia版

Patterson, Frank Allen, general ed. The Works of John Milton. 18 vols. New York: Columbia UP, 1931-38.
散文を含むラテン語作品のラテン語と英語の並列表記あり。最後2巻の索引は便利。

Oxford版 (編集出版継続中: 最新研究に基づいて編集されているので論文に引用する際には要参照)

Hale, K. John and J. Donald Cullingston, eds. The Complete Works of John Milton: De Doctrina Christina. vol. 8. Oxford: Oxford UP, 2012. 11 vols.

Keeble, N. H. and Nicholas McDowell, eds. The Complete Works of John Milton: Vernacular Regicide and Republican Writings. vol. 6. Oxford: Oxford UP. 11 vols.

Knoppers, Laura Lunger, ed. The Complete Works of John Milton: The 1671 Poems: Paradise Regain’d and Samson Agonistes. vol. 2. Oxford: Oxford UP, 2008. 11 vols.

 

伝記

Campbell, Gordon and Thomas N. Corns. John Milton: Life, Work, and Thought. Oxford: Oxford UP, 2008.

Lewalski, Barbara K. The Life of John Milton: A Critical Biography. Malden: Blackwell, 2000.

 

事典・辞典

Corns, Thomas N., ed. The Milton Encyclopedia. New Haven: Yale UP, 2012.
刊行されたばかりの一巻本のミルトン百科事典。

Hunter, William B, Jr., general ed. A Milton Encyclopedia. 9 vols. Lewisburg: Bucknell UP, 1978-83.
ミルトンの作品、重要テーマ、ミルトンに関連する歴史事項や人物を解説した8巻と索引1巻からなる大著

Lockwood, Laura E. Lexicon to the English Poetical Works of John Milton, New York: Burt, 1907, 1968.
ミルトンの英詩に出てくる単語をほぼ網羅し、それぞれ単語の品詞と意味を定義した辞書。ShakespeareのSchmidtにあたる。作品を読み込む上で必読。

Campbell, Gordon. A Milton Chronology. London: Macmillan, 1997.

 

コンパニオン
以下のコンパニオン、ハンドブックでは、一流のミルトン研究者によりミルトンの作品や生涯について重要なテーマが論じられている。レポートや論文のテーマを探したり、関心のある内容をさらに深めるために最初に参照すべき二次資料。

Corns, Thomas N., ed. A Companion to Milton. Malden: Blackwell, 2003.

Corns, Thomas N. ed., A New Companion to Milton. Malden: Blackwell, 2016.

Danielson, Dennis, ed. The Cambridge Companion to Milton. 2nd ed. Cambridge: Cambridge UP, 1999.

Duran, Angelica, ed. A Concise Companion to Milton. Malden: Blackwell, 2007.

McDowell, Nicholas and Nigel Smith, eds. The Oxford Handbook of Milton. Oxford: Oxford UP, 2009.

Schwartz, Louis, ed. The Cambridge Companion to Paradise Lost. Cambridge: Cambridge UP, 2014.

 

日本のミルトン研究

黒田健二郎編『日本のミルトン文献(大正・昭和・前期篇 上中下)』風間書房, 1985年-1991年